宅建士:4カ月で合格した独学勉強法を公開!【分野別の対策法】
前回に引き続き,宅建試験に4カ月で合格した独学勉強法について,全3回【勉強法】,【おすすめの教材】,【分野別の対策法】に分けてご紹介いたします.
宅建試験の出題範囲は,「権利関係,法令などの制限,税・価格,宅建業法,免除科目」の5つの分野に分けられます.宅建業法を除く4つの分野については,不動産に関わる内容のみが出題されます.
今回は,それぞれの分野について,目標点と学習時のポイントを詳しく説明します.
分野ごとに目標点数を設定して,全体的に何度も繰り返し勉強する!
分野別の対策法
宅建試験の合格ラインは,7割前後(35/50問)です.そのため,目標を38点に設定して,各分野で必要な点数についてお伝えします.点数を取りやすい分野と取りにくい分野があるので,初めて勉強する方は,ぜひ参考にしてみてください!
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権利関係
権利関係からは,民法や借地借家法などから出題されます.例年,出題されるような「基本的なAランク」の問題が解ければ大丈夫です.この分野は,あまり深入りしないこと.
権利関係では,テキストや問題集のレベルができれば良いので,過去に出題された細かい論点は覚えなくて大丈夫です.その問題は,二度と出題されないので.
学習時は,最低限(テキストレベル)のことを覚えたら,その法律の目的や意味,何のためにあるのか,誰のため,などのマインド・考え方を意識して学習すると良いです.これはリーガルマインドと呼ばれているそうです.これを意識すると,本試験で初めて見るケースにも類似した事例から対応できるようになります.
Cランクの問題がよく出題され,高得点を狙いにくい分野です.問題によって,点数にバラツキが生じやすい分野なので,他の分野で確実に点数を取れるようにしましょう.
宅建試験で唯一,考える余地がある問題が出題される.特に,借地借家法では,民法と借地借家法のどちらが適用されるのかが出題されやすい.
法令などの制限
法令などの制限からは,都市計画法や建築基準法などが出題されます.
テキストなどでは「確実に点数を取りたい分野」とされているが,暗記量が多いわりに出題数が少ないので,意外と学習効率は悪いと思います.
建築基準法は,範囲が広い割に2問しか出題されないので,基本のAランクができれば良いと思います.
都市計画法:2問,宅地造成法:1問,土地区画整理法:1問,国土利用法:1問は比較的簡単であるため確実に正解したいところです.農地法は複雑なので,Aランクができれば良いです.
税・価格
税・価格からは,買い替え特例や住宅ローン控除などの知識が問われます.
税・価格は,細かな数字や条件が多い分野です.こちらも,暗記量を必要とする割に出題数が少ないので,Aランクができれば十分です.
宅建業法
宅建業法からは,宅建業(不動産業)に関する問題が出題されます.この分野が宅建試験の中心で,「宅建業法をどれだけ正解できるか」が合否のポイントです.
宅建業法は全問正解したい分野です.過去問・模試はしっかり復習して,一度解いた問題は必ずできるようにしましょう.
- 「宅建業者」 or 「業者ではない」は定番の引掛け,必ず確認すること.
- 「売買 or「貸借」は定番の引掛け,必ず確認すること.
- 「宅建業法が適用される」or「適用されない」は,定番の引掛け,必ず確認すること.自ら賃貸,宅地ではない土地など.
免除科目
免除科目は宅地・建物の情報に関する問題が出題されます.毎年,情報が更新されるので,8月~9月頃から学習すると良いです.この分野の暗記量は少ないので,確実に得点したい分野です.
「住宅金融支援機構」と「景表法」に関する問題は,意外とパターンが多いので,過去問を10年以上解くこと.
「土地・建物」は,Aランクができれば良いと思います.かなりマニアックな問題が出題されることもあるので,知らない問題はあきらめるくらいの気持ちで大丈夫です.
統計に関する問題は,8月ごろに最新情報が出るので,そこから学習すれば大丈夫です.なお,統計に関する問題は,毎年データが変わりますので,過去問を解く意味はありません.出題傾向を参考にする程度です.
免除科目は,不動産業に就いている方が条件を満たすと免除されます.つまり,5問全問正解と扱われます.したがって,5問免除受験者は一般受験者と比べると有利になることは事実です.
ただし,この分野は出題範囲や情報量も限られているので,5問免除でも大きな差にはならないと考えます.実際に,私は一般受験者で合格しています.ちなみに,免除科目の点数は4点でした.
合格に向けたアドバイス
まずは,それぞれの分野を一通り勉強してください.特に,最初から「宅建業法を目標点に達するまで勉強する」など一つの分野だけを集中して勉強することはやめましょう.宅建試験は,範囲が広いので,繰り返し学習しなければ完璧に覚えたと思っていても,本試験時には忘れてしまいます.
全体を勉強した後は,過去問や模試などを解いて理解度を確認し,目標点よりも低い分野を学習すると良いです.苦手な分野をなくすイメージです.過去問を解く ⇒ 苦手を勉強 ⇒ 過去問を解く ⇒ 苦手を勉強,これを何度も繰り返してください.
また,過去問や模試を解くことが目的にならないように注意してください.特に,学習の後半には,問題を解くこと(アウトプット)ばかりになりがちです.過去問や模試は,理解度を確認するために利用してください.つまり,分からない問題や忘れている内容がないかをチェックすることが目的です.問題を解いた後は,必ず間違えた問題を復習(インプット)してください.
まとめ
- 宅建試験の合格目標は38点(全50問)
- 分野ごとの目標点数は,権利関係:8点,法令などの制限:5点,税・価格:2点,宅建業法:19点,免除科目:4点
- 全体を何度も繰り返し勉強すること(一つの分野に集中しすぎないこと)
- 過去問・模試を解いた後は,しっかりと復習する!
以上,参考になれば嬉しいです.